2015-1-22 深い

「犬や猫の殺処分数はどのくらいですか?」

各国でこの質問をしたとき、誰もが驚いた顔をするに違いないのが、ドイツです。

現在のドイツには、動物をまとめて殺処分するという思想が無く、殺処分場ももちろんありません。

まず、ドイツに最初の動物愛護団体が1837年に創立されたことが始まりとなっています。

その後、1871年には200団体に増え、そして現在では700もの団体が存在。

法律に関しても、ナチス時代に政治的目的で制定された動物愛護法が、政権崩壊後もしばらくは生き続けていましたが、改正が繰り返され、今に至ります。

 

そうした歴史を持っている現在の動物愛護法では、動物の殺行為について以下のように記されています。

脊椎動物は麻酔下においてのみ、あるいは状況により痛みを回避することでのみ、やむを得ず殺されることとする

殺行為についての記述があるのなら、殺処分しているんじゃないか、と思われる方もおられるでしょうが、ここで重要となるのは「やむを得ず」という部分です。

日本では、引き取り手が現れず保護期間を過ぎた場合、どんな状況においてもその動物は殺処分対象となります。

ですがドイツでは、こういった人間的都合による処分は認められていません。

では、やむを得ず処分されることとなってしまうのはどのような場合なのでしょう?

 

◆病気である場合

獣医師による診断で、正当な理由が必要となります。

しかし、獣医師が不治の病と診断し安楽死が決定された場合においても、遺体の病理検査が行われます。

その検査で、もし獣医師の下した診断と同じ病理結果が得られなければ、罪に問われる可能性が浮上し起訴対象となるのです。

また、不治の病だとしても投薬などによる治療が可能である場合は、安楽死の対象にはなりません。

◆人間に危害を加えた場合

動物の行動療法の専門家の見解により、問題行動の改善が可能である場合は殺処分対象から除外されます。

リハビリやトレーニングを行わせて、日常生活が問題な送れるように処置されます。

 

ドイツでは、動物保護の観点から第三者にも説明できる政党な理由がない限り殺処分は認められないのです。

(※EU圏で社会問題とされている野犬などは保護法対象となっていません。)

とはいえ、ドイツにももちろん飼い主を失った・誰にも飼われない動物は存在します。

そうした動物たちを保護するのが、ティアハイムという動物保護センターです。

12120_03ドイツ国内には約1000以上もの民間ティアハイムが存在しており、そこでは無期限で動物たちを保護しています。

そしてもう一点、日本と違うのは、保護センターから引き取られていく動物たちの数です。

ティアハイムでは、なんと90%もの確率で、保護された動物たちが新たな飼い主のもとへと旅立っていきます。

 

2012年度のデータですが日本で当時、全国の自治体で捨てられた犬猫の数は22万2883匹、そのうち殺処分されたのは17万2360匹。

殺処分率は77.33%にも上ります。

そして、新たな飼い主と出会えた犬猫は3万3096匹。

日本ではわずか14.84%なのです。

なぜこんなにも差があるのかといえば、ドイツでは一部の特区を除いて生体売買が認められていません。

12120_02ペットを飼いたいのであれば、直接ティアハイムを訪れることが一般的となっているからです。

 

日本では、過去に年間115万匹以上もの犬や猫が処分されていたという信じがたい事実があります。

近年は、北海道・旭川をはじめ、神奈川・川崎、平塚などの動物保護センターで殺処分数年間0が目標として掲げられ、実際に達成するなどして徐々にではありますが着実にその数は減ってきているのです。

とはいえ、それは一部の動物愛護活動に携わる人々の手によりもたらされているものでしかありません。

12120_01今でも毎日700万匹、年間16万匹もの罪もない命が奪われているのです。

 

殺処分を日本も0にするためには、法改正も必要となってくるでしょう。

ペットショップでなく、保護センターにいる犬や猫を家族として迎えるようにすることも大切といえます。

しかし、それよりなによりまず初めに変えなくてはならないのは、殺処分があることを前提にものを考えている日本人の意識ではないでしょうか。

もちろん、すべての人がそうした意識をもっている、というわけではありませんが。

しかし、「殺処分はなくてあたりまえ」という意識を持っている人も少ないかと思います。

あらゆることを変える原動力を生み出すためには。

まず国全体に、この意識が浸透しなければならないといえるでしょう。

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